ベルデセルバ戦記でブログ

プレイステーションソフト「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」 にこだわるブログです。(略称【ベル戦ブログ】)

はやぶさ〜はるかなる帰還〜

 初日に観てきた。




 いまいちピンと来ない映画だった。
 焦点(誰が主人公なのか、テーマの「継承」の表現等)が絞りきれてない感じ。その点は10月公開映画の方が上だった。
 川口PM役の渡辺健の腕がやたら太かったり、国中教授役の江口がイケメン過ぎて違和感があった。メーカー役の吉岡は童顔過ぎてやっぱり違和感(笑)。二人の交わした最後の議論って本当にあったものなの?初耳なんだけど。
 女性新聞記者は設定上宇宙関係に熱心だというのは話を聞いていて理解できるのだが、演技を観ていてそれが感じられなかった。だから最後彼女がウーメラ砂漠ではやぶさの再突入を目撃した時に涙を流した時に唐突な印象を受けた。なぜか?
 彼女が登場するシーンは取材以外は家族とのやり取りであり、ここでははやぶさへの思い入れは全く語られない(と私は記憶している)。父親とは離婚の話や昔の仕事、子供(孫)の話だけで、二人ともはやぶさへの思い入れや感想等を語った記憶が無い。つまり物語の流れ上でははやぶさには仕事で接していたように見えるのだ。
 はやぶさのCGは科学的には嘘だらけ。太陽電池が太陽向いてないのにイオンエンジン噴射とか電圧足りなくて無理だよ。そもそもはやぶさは側面から放熱する設計なので側面に太陽光が当たり続けると内部が熱くなりすぎて危険。イオンエンジンのクロス運転の時など中和機AからのプラズマジェットがイオンスラスターBの方に向かって吹き出ていた。ジェットの偏向機構なんて付いてないだろ(笑)。まあ、わかり易さ優先でああしたんだろうけどね。
 お金がないのかはやぶさのCGシーンが少なかった(10月の映画に比べて)のは寂しい。一方イオンエンジンの運用の地上での試行錯誤を詳しく描写したのは嬉しかった。
 はやぶさ発見の報を受けプロマネが米国講演を急遽キャンセルし帰国するのは事実だが、そこがドラマとして描かれたのは初めて見た。あそこはいいシーンだった。はやぶさの内部構造が要所で描写されるのも良かった。メカ好きにはたまらない。映画冒頭で見えていた部品が実はイオンエンジンのクロス運転を可能にするダイオードだというのも憎い。通信途絶直前に送られてきた写真をめくって最後の8枚目に地球が出てくるシーンも良かった。
 総評:また観たいとは思えない映画でした。残念。