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プレイステーションソフト「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」 にこだわるブログです。(略称【ベル戦ブログ】)

朝日新聞広告「仏教から学ぶ生き方のヒント」ひろさちや氏の時代遅れ

むしゃくしゃして書いた。別に後悔はしていない。

仏教から学ぶ生き方のヒント
宗教評論家:ひろさちや氏(wikipedia
 現代社会は全くもって欲望社会です。人が口を開けば、景気がいいの悪いの、勝ち組だ負け組だと言いつのり、もっと幸せになりたい、長生きをせねばと欲望をとめどなく膨れ上がらせています。
 動物には本来、欲望をセーブする本能があるのです。犬のケンカで一方が尻尾を下げて降参すれば、他方はそれ以上攻撃しません。その本能が人間は壊れているから、いじめるとなると徹底的に相手を打ちのめしてしまいます。
 たらふくものを食べたいというのも同じ。動物は満腹だと防御力が落ちてしまうので、腹八分目を本能的に守ります。欲にまみれて生きる私たちも、本当はそれがもう辛くなっていて、未来に不安を感じ、思い悩んでいるのです。
 はっきり申し上げて、この国はすでに経済が破綻し、政治も八方塞がりで、お先真っ暗な時代を迎えております。
 先々のことなど誰にも見通せない。未来について分からないことは分からない、解決できない問題は解決できないのだと分かることが、すなわち「悟り」なのです。
 仏教の教える「小欲知足」の心が大事です。人間、全くの無欲では生きられませんから欲を持つのはいいけれど、思いついたときにちょっとだけ少なくする。もうこれくらいで十分だ、満足しようと、足るを知ることです。
 あまたの仏教書には、そうしたお釈迦様の智恵が分かりやすく書かれています。今の時代にぜひとも読んで、これまでの生き方を少し反省してほしいと思います。

 この話、嘘が多い。


現代社会は全く以て欲望社会です。
 では昔はそうではなかったか?
 そんなことはない。他人に苦労と不幸を強いる事により人より良い暮らしをするだけでは飽き足らず、他を抹殺することで権力を一手に握ることに腐心する人間はこの日本だけを見ても1800年間絶える事が無い。力無きものは常にそのあおりを食ってきた。そもそも人類の技術の進歩は楽をしたい、もっと幸せになりたい、という欲望を原動力にしてきた。昔の人が欲が薄かったように見えるのは大半の人がその欲の対象となる物質を手に入れられない環境にあっただけだ。

追記:まあ、「現代人の多くが欲望を満たそうと思えば満たせる環境に居る」という意味では欲望社会ではあるが、本文ではそういう意味で言ってるんじゃないよね。



>その本能が人間は壊れているから、いじめるとなるれば徹底的に相手を打ちのめします。
 これも嘘である。いや、単に自然界の事を知らないのであろう。動物の間にも厳然としていじめはある。これは一部の学者だけではなく一般人の間に広く知られている話だ。

一般人の認識例1

アメリカに住んで30年以上の主婦の認識例
(ただしこの記事ではアメリカには人間の子供にいじめが無い、と書かれているがアメリカ映画を見ると子供の間でまさにいじめと見える暴力行為が存在している・・・ということが当然のごとく描かれている。ベストキッドやバックトゥザフューチャーを思い出して欲しい。あれはどう解釈すれば良いんだろうね?)

動物を飼っている人の認識例
 ↑(ここで印象的なのは「「平和の象徴」と言われるハトは、一度闘いを始めると相手が死んでもなお攻撃を続ける残虐さを持ちます」という一文。人間はハトなのだという。)

↓一方仏教はインターネット時代になってもまだこんなことを言っている
仏の御命(曹洞宗)
「自然界の摂理としていじめ構造はない」



 犬のように本能的に序列に安住する生き物はルールのある戦いをし、ハトのように序列の無い生き物は徹底的に攻撃をする、ということだろう。人間社会も同じで、ヤクザは一般人とケンカしてもそうそう殺さないが、むしろ一般人同士やチンピラ同士のケンカでは死人がよく出るのである。(ヤクザ同士の戦いはまた別の話だが、やはり「手打ち」というルールが存在し、そこで殺し合いは終了する。)
>動物は【略】腹八分目を本能的に守ります
 これも本当ではない。

「長寿の秘訣−腹八分」
 世界の研究者による多種の動物を用いた実験で、食事制限(6-7 分)群の方が自由摂取群に比べ有意に長生きすることが確かめられています。
(この実験は動物の本能は腹八分では収まらないことを意味する)

満腹マウスの話
 東海大学で、こんな実験が行われた。マウスを2つのグループに分けて、第1グループは好きなだけ餌を食べることができ、第2グループは第1グループの80%の餌しか食べさせないようにする。その結果は、自由に食べたグループ、満腹マウスたちは平均約6年生き、腹八分目に制限された第2グループは平均で9年8か月生きた。
(この実験も動物の本能に任せていては健康ではいられないことを意味する)

 そもそもほとんどの動物は満腹になることはない。肉食動物は別だろうが、草食動物はその食物の非効率のためにほぼ一日中食事をしている。いつ腹八分目になっているのだろうか?移動する草食動物の場合、その地の草を全て食べないのは、腹八分目だからでも、後から来る仲間の為にとっておくからでもない。単に柔らかい新芽を食べつくしてしまったからである。もっと北や高地では遅れて新芽が出るのでおいしくて栄養価の高い新芽を求めて移動するのである。
 満腹を許される動物は家畜かペットか、食物連鎖の頂点にいる生物だけである。そんな一部の例をあげて、「動物は〜」と言うのは詭弁である。第一人間にだって満腹中枢と言うものが有り、食事を始めて約15分するとそこから満腹物質が分泌されて食欲が減退する。つまり肉食をやめて非効率な草食中心にすれば食事に時間がかかるので自動的に腹八分目になるのである。人間に本能が無いのではなく、肉食や栄養価の高い食事になったから栄養を摂り過ぎ→肥満するのである。


>この国はすでに経済が破綻し、政治も八方塞がりで、お先真っ暗な時代を迎えております。
 これ、いつの時代も宗教家は言ってるよね。とくに仏教は末法思想の伝統か知らないが、「昔は良かった」という思考が染みついていると見える。実際は八方塞がりではなく、国のかじ取りさえ誤らなければ、まだまだ日本の売り物はたくさんあり、それこそ多くを望まなければ充分やっていける段階である。そのかじ取りがちゃんと出来るかどうかは怪しいが、プランは既に存在しそれはそんなに難しい事ではない。
 自分の宗教に有利に話を持って行こうとする詭弁は無知蒙昧の徒には有効だろうが、現代人はそう簡単には騙されないと思ってもらいたい。とはいえ、いつの時代にもバカ者はたくさんいるので、そういう輩を引っ掛けていれば宗教は安泰だろう。細々と生き残ることは出来る。
 しかし、そんな体たらくでは仏教がこの世を救う事は出来まい。上座部仏教のように早々とこの世に絶望して、全てを諦めることで魂の平安を得たいというのなら止めはしないが、もしも大乗仏教僧都として衆生を済度したいのならば、思いこみに走らず正しく世界を認識しその上でお釈迦様の智恵とやらを使って全世界に恩恵をもたらして欲しいものである。
 ところで宗教評論家と言いながら仏教の話しかしないというのは仏教への贔屓だろう。3大世界宗教の残り2つであるイスラム教とキリスト教の話もしろよ。


 他の仏教家もこんな間抜けな話をする人を放置しておいたら駄目だろう。益々仏教の権威が下がる。
 本来宗教とは天地の理(ことわり)と生老病死の理をあまねく説いてその対策を示し人民を導くべきものだ。この世には常に新しい知見がもたらされるので、科学も宗教も常に身を改めそれらを矛盾無く説明できる体系に作り直す作業をしなければならない。だから矛盾があったら馬鹿にされ、話も聞いてくれないものだ。聞いてくれるのは矛盾に気づかない愚か者だけとなってしまう。それで良いというのならとめはしないが、メレディのように民に迷惑を掛けるのだけはやめてくれよ?