海に生きる者にとって星はかけがえのないものであり、極身近な存在である。特に王族が星の霊力を恃(たの)んでその名をつけることは当然ともいえる。
なぜ海人にとって星が大事かは、今週のビッグコミックの「宗像教授異考録」を見ればよく分かるが、沖の海上にはホントに何もない。日月星の他には雲ぐらいだ。特に夜は星しか頼るものはない。月は一日の半分は沈んでいて夜中常に見えるわけではない。だから星は船乗りにとって大事なのだ。
だが、その星も一晩の内に半回転する。だからこそ不動の北極星はいかなる文明でも大事にされた。
海の一族(続き)
ナオ(八番艦操舵手)の由来は恐らくとも座(船尾座)の一番明るい星ζ星のナオス。とも座はアルゴ船というギリシャ神話の魔法の船の船尾である。船尾にはもちろん舵が付いているから、操舵手の名前としてふさわしい。
ジン・パベル(八番艦航海士・弓の名手)は由来不明。いて座・や座にジンという名の星はない。
トーマ・ソム(八番艦航海士・切込隊長)も由来不明。
追記:
トーマの父はデブリ・ソム。デブリはフランス語で破片だが、宇宙用語ではスペースデブリと言う。スペースデブリ:(space debris、デブリ)または宇宙ゴミ(うちゅうごみ)とは、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上〔低・中・高軌道〕を周回している人工物体のことである、とされる。<<
トーマの父はデプリ(DEPURI)・ソムでした。デプリという語は由来不明です。
ハルバート・セグノのハルバートは槍。ハルはヨット用語で船体を意味するのでそっちかと思った人もいたようだ。
ウラニス・セグノのウラニスは恐らくギリシャ神話の祖神ウラヌス(天空神)。女性にいかめしい男神の名を付けるセンスは日本人にはよく分からないが、外国ではよくある。
アヌアビス・プロシオンのプロシオンはこいぬ座α星プロキオン。アヌアビスはその名の海が旧エジプトにあることから、エジプト神話のジャッカルの神の名アヌビスから命名されたものと思われる(特に根拠無し)。(なお、アヌビスはギリシャ名で、当時のエジプトでは「インプゥ (Inpw)」と呼ばれていた。)更に、関係ないと思われるがアフリカの着生植物にアヌビアスというものが存在する。
影船の長の名の由来は不明である。追記
ジンの父はオブキン・パベル
ジンの母はクマノア・パベル
ウルキ:海都一の刀工。トゥバンの新しい剣を打った。ウルキは黄道十二宮の中国版にあたる二十八宿(にじゅうはっしゅく)の一つ北方の女(ウルキ)宿が由来であろう。この領域の西端の比較的明るい星がみずがめ座ε星となっている。
影船
一番船々長:ナルドロフ・ヴェザ
二番船々長:ザアンチャオ・ナウト
三番船々長:グルミア・アフレイル
四番船々長:アレア・モス
五番船々長:クラ・ミグナム
六番船々長:イバト・ルタ
七番船々長:ギジン・ドラル
近衛艦隊指令:イルカノ・ジバステン(海豚:イルカが由来か?)
海将
北インガルナシオ:ジト・サントニウス
西インガルナシオ:
ウンジロ :
サナル (旧):ヴィナン・ガルー
サナル (新):ウォルカ・ベアス(シャチの学名オルカが由来か?もしくは仏語の火山)
ジュド・ラウド:サナル海副将。
アルキバ:ベアスの参集に遅れた五隻の内の一隻。艦長はウルベササ。アルキバはからす座のα星。なお、からす座は赤緯−20度に位置する南天の星座である。
イクイ・ニキヤ:ジーゴ第二隊への追撃が遅れた艦の艦長。ニキヤは・・・インドの舞姫ニキヤは関係ないよな・・・。
ザイズア・モンタス:同上。そして同じく由来不明。
ハンダン諸島 :
東アヌアビス :
西アヌアビス :オウラ・ニクラ(オウラはラテン語の「逆風」。ニコラならばギリシア語の「勝利」 )近衛艦隊
リゲル :オリオン座β星。かなり有名な星。(0.12等〜8.44等)この船は王海走でも指標艦として出ていた。
ミザール :北斗七星の柄の先端から2番目の星。ζ星。二等星。(2.23等)
アリオト :北斗七星の柄の先端から3番目の星。ε星。二等星。(1.76等〜1.78等)日本人はアリオスという呼び方のほうに馴染みがあるだろう。
2・3つ目の船名から考えるに近衛艦隊には他に北斗七星にちなんだ船が5隻ありそうだ。念のため記しておく。
ベネトナシュ:北斗七星の柄の先端から1番目の星。η星。別名アルカイド。
アルコル :ミザールの伴星。(4.0等)
メグレズ :北斗七星の柄の先端から4番目の星。δ星
フェクダ :北斗七星の柄の先端から5番目の星。γ星
メラク :北斗七星の柄の先端から6番目の星。β星
ドゥーベ :北斗七星の柄の先端から7番目の星。α星
その他
・イベルグエン
ギルス・ヴェダイは由来不明。
ヴェダイはスターウォーズのヴェダイナイト(超能力(フォース)を持つ騎士)かも。異能力(道具に頼った所もあるが)を持つイベルグエンの一人としてはふさわしい名かもしれない。(ジェダイでした。)英語でgillと言うと魚の鰓(複数形で使う。ただし発音はギルズ。)を意味し、gills netは刺し網(魚を網目に絡ませて捕獲する帯状の網。)であるが、あまり関係はなさそう。Giles(ギルス)は人名として実在する。政権伝説というゲームのカドゥケウスではギルスは「罪」を意味する未知の病原体だそうだが、何語だかは不明。仮面ライダーの一人に仮面ライダーギルスがいる。カミキリムシをモチーフにしているらしいが、カミキリムシにはギルスという翻訳語が見当たらない。ライダーギルスの名前の由来がまず不明なのである。
結局よく分からない。
カストとルグス(グリハラの双子導師)は間違いなくふたご座のカストル(α星)とポルックス(β星)。
メルダーザは由来不明。
アナハラムは由来不明。
ジは、間違いなく耳(ジ)が由来であろう。
ドウは間違いなく瞳(ドウ)が由来であろう。
クラッサ・ライは由来不明。
オンブルワ・ゼ・フォレストはホレイショ・ホーンブロワーが由来らしい。
ディアブラスは間違いなく修羅の門に出てきたレオン・グラシエーロ神父。彼自身と祖父の言葉によるとレオンの中には悪魔(ディアーボ:英語ではディアブロデビル)が棲んでいるという。そこからの命名であろう。つまり星は関係ない。なお、ディアブラスの性格・戦闘術等はレオンとは似ても似つかない。
カンタァクは由来不明。もしイタリア語のカウンタック(驚き)が語源ならばこの二人はランボルギーニ製のスーパーカーが由来であろう。
アグナ・メラ・ジーゴ(ジーゴ族長の一人孫娘)は難しい。グアム島の首都ハガニアの旧称アガナ(aguna)か、ケンタウルス座のβ星ハダルの別名アゲナ(あげな:agena)かと思われる。グアム島北部に太平洋戦争激戦地の一つジーゴ地区があることから、グアム由来である可能性が高い。メラはりゅうこつ座のα星カノープスの別名である布良(めら)星からと思われる。カノープスは本州付近からは寒い日の南方水平線上にごく稀にしか見えない星で、日本の天文ファンにとっては南国への憧れを抱かせる星(らしい)。南国出身のアグナメラにふさわしい名である(かも)。
クビンラ・ババ・ジーゴは由来不明。
星とは関係ないが海皇紀関連の中で帆船解説のページとしては実に良く出来たサイトを紹介。
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