ベルデセルバ戦記でブログ

プレイステーションソフト「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」 にこだわるブログです。(略称【ベル戦ブログ】)

「剣岳〜点の記」鑑賞

 面白かった。しかし放映時間が二時間半とか長過ぎるだろ。いくら名作映画は視聴率が高いからって各社CMを打ちすぎだっつーの。まあ、TVでタダで見られるんだから仕方ないか。
 正直に報告したせいで軍では評価されずひどいと思ったが、山岳会が手放しで賞賛してくれて救われた。いいラストだ。
 しかし、一つ気になったことがある。クライマックスで雪渓を上りきり岩肌の尾根を歩くシーンだが、「あれ?雪道はおそろしく危険なハズなのにあっさりしてるなコイツら」と思った。一緒に見ていた母もそう思ったらしく、世代が異なる素人二人が観てそう思うんだから全ての人がそう思うに違いない(サンプル数2でそう結論するのは統計学上キツイが)と思ったのでちょっとググってみたら『劔岳 点の記』読者レビューって所で

こみこみ 様 (2009年6月29日 5時4分)
監督の壮大な自己満足にどれだけ付き合えるか。それは、役者も観客もみんな試されている。いまの日本の人気役者をここまで総動員しながら、全員がここまでダイコンに見えるのはなぜか。演出がおかしい。シナリオもおかしい。肝心なところでださいストップモーションでごまかす。クライマックスのカタルシスのなさ。そして最後に、スタッフの氏名を明記せず「仲間たち」とは何事だ!誰が何やったか、ちゃんと責任を持つように!

なんてレビューがあった。演技のことは良く分からないのでなんとも言えないが、クライマックスとかストップモーションについては全く同意を表明する。肝心のところを描かないでどうするのだ。一方で

ベイスターーズ 様 (2009年6月24日 22時14分) 評価: ★
3度ほど小説を読んだ。今回の作品を期待した。映画と小説とは肝心のところで、あまりに違う作りすぎていると感じた。常識的に矛盾だらけ、立山山中の映像の素晴らしさを感じる前に落ち込んでしまった。いくつか言えば、秋の偵察山行で、あれだけの立山参拝はあり得ないし、参拝客とすれ違う前に川に入って横断するはずもない。上っていない山岳会(地図も整備できていない奥山で案内人も無しで動けるの?)をあんなに登場させるとは、など。これなら同名の小説を語るのはどうでしょうかね

など、山や原作を良く知る人ほど矛盾の多さにげんなりしているようだったが、まあ映画は売れてナンボなので、何も知らない大多数の一般人が面白がれば矛盾はいくら有ってもいいんだよ。少数のマニアの気持ちなんて考えてたら大赤字になってしまうわい。それよりも、これで原作を読んでくれる人が増えれば良いのだ、くらいに考えるべきだろう。そんなことよりも映画としての演出の下手さを論じるべきだ。
 僕だったらこういうシーンを挿入する。

 危険な雪渓を渡り切り、岩肌に足を踏み入れた瞬間にノブ(新人の測量員)が安堵のため息を漏らす。そこに隊長が「気を抜くな!まだ頂上じゃないぞ!」と語りかける。

 とかね。これならカタルシスと同時に緊張感が持続する。BGMもクラシック音楽をうまく使っていて直前まで良いシーンだったんだから残念だった。
 尺の都合で削ったんでしょうかね?個人的には「撮影し損ねたが撮り直し不可能」だったから、だと思ってますが。