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プレイステーションソフト「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」 にこだわるブログです。(略称【ベル戦ブログ】)

地下灌漑法



地下灌漑(かんがい)法--はてなダイアリー--ましか


 もともと田畑の下に暗渠(埋設された河川や水路のこと)を作って水を排水する技術は有ったのだが、それでもなかなか水が抜けないという欠点があった。それを解消して素早く耕作地の地下水位を下げる技術を開発したという話だ。やっぱり農業は科学を駆使しないとイカンよね。まあ、このリンク先の人が開発したわけではない(開発者は福士さん)のだが、解説が分かりやすいのでそちらにリンクを張った。
 隣で水田をやっていても畑作が出来るのは農業に自由度が増して良い事だと思う。


 さて、個人的に気になるのは、この技術、乾燥地帯での灌漑に応用できないか?ということだ。
 きわめて乾燥した地域での灌漑で問題になるのは、耕作地に引き込まれる水の量に比べて蒸発する水量の方が多いという事だ。足りない水量はどこから来るのかと言うと地下からで、この時地下の塩分まで吸い上げてしまう。もちろん引き込む水に含まれている塩分も問題だ。とにかく、塩分を含んだ水を排水出来ないで何年も灌漑を続けるとついには表土の塩分濃度が限界を超え、最終的にはカッチカチの土地が出来上がる。もはや耕すどころか草一本生えない完璧に不毛な土地になり、放牧することすら出来ないのだ。つまり一時の収穫増と引き換えに返って農民は貧しくなってしまう。(※ある程度降水量のある地域ではこういう問題は起きない。)
 これを防いで持続的な灌漑をするためには地表からの蒸発を防げばいいわけで、それにこの地下灌漑法が使えるんじゃないかな〜と思うのだ。なにしろ水は直接地下に流れ込み、地表はそれほど湿らないから蒸発量も少ないだろうし、効率的に水が使える。まーこの方法は手間がかかるので途上国にどれだけ導入できるのか怪しいが。


 と思ったら、当然のように研究者も注目していて、早速シミュレーションしてるようだ。(1993年)
地下灌漑法の乾燥地農業への適用に関する研究(第1報)
プレビュー(pdf)
 プレビューを読んだ所塩害対策として有望そうだ(少なくともダメだったとは書いてない)。「イランで古来使用されていた”Khuze”灌漑」が良く似ていて安価らしく、現地で使用されていた技術なら適合性にも問題は有るまい。これに上述の福士さんの技術が加わればかなり効率的な水の使い方が出来るのではないだろうか。


 普及活動とか今どうなってるのだろうこの技術。


あと地下灌漑法を考える参考までに
らぼぶSSS らんだむノート(1)・・・・地下水面


 こちらの記事を読んでいると、地下灌漑法そのものは福士さんの考えたモノとは必ずしも言えないような・・・。福士さんは給排水装置の特許を持っておられるのは間違いないようなので、地下灌漑法の普及・改善に努めている人なのかな?